「残念だけど、この子は20歳まで生きられないかもしれない」
もしあなたの赤ちゃんが生後4ヶ月のときに、
医師からそう言われたら…あなたは、どうするだろうか?
あきちゃんの初めての子、
たっくんは4ヶ月のときにダウン症と診断された。
その日、小さなたっくんを抱いて帰ったものの、
どうやって家まで戻ったのか全く覚えていなかった。
今から約40年前。
パソコンもスマホもない時代。
不安はどれほど大きかったことだろう。
それでも――
目の前で手足をバタバタさせるたっくんは、確かに「生きていた」。
だったら、思いっきり人生を楽しんでほしい。
たくさんの体験をさせてあげたい。
そう思ったあきちゃんは、たっくんを外に連れ出し、
四季折々の風に触れ、小さな草花を摘み、つくしを探し、
小1からは陶芸、小3からは茶道を習い始めた。
3歳のとき、あきちゃんは「保育園」を選んだ。
なぜなら、たっくんは慣れるのに時間がかかる。
長く友だちと過ごせる保育園のほうが合っていると思ったからだ。
そのために仕事も始めた。
(当時は、働いていないと保育園に入れなかった)
年少の頃のたっくんは、まるで怪獣。
積み木を壊し、奇声をあげ、みんなと遊べなかった。
でも、年中になると少しずつ周囲が変わり始めた。
「今日は、たっくんがね…」
迎えに来たあきちゃんに、子どもたちが話しかけてくれるようになった。
年長になると、お友だちがたっくんを迎えに来てくれるようになった。
歩いて3分の道も、母親とだと30分かかったのに、
友だちとなら“るんるん”で歩いていく。
小学校への進学は簡単ではなかった。
当時は、障がいのある子は「養護学校」が一般的。
教育委員会は、最後まで養護学校を勧め続けた。
けれど、あきちゃんは制服を買い、
入学式の日に友だちと同じ小学校へたっくんを連れていった。
担任も校長先生も理解のある方だったが、
「何かあっても学校に責任は取らせない」と決意し、
あきちゃんは6年間、毎日学校に通い続けた。
初めて出会う子どもたちは冷たく、鋭い視線で睨まれることもあった。
そして、こんな言葉をぶつけられることも。
「なんでたっくんはしゃべれんの? 幼稚園からやり直してきなよ!」
それに対し、あきちゃんは優しくこう答えた。
「そうなんだよね。でも、みんなが大きな口でゆっくり話してくれたら、
たっくんも真似できると思うんだ。教えてくれる?」
すると子どもたちは、自然に言葉を教え、字を教え、
やがて目が優しくなっていった。
ある日、保育園からの女の子が
トイレへ駆け込んでいった。
あとを追っていったあきちゃんに、彼女が言った。
「おばちゃん、たっくん、うんちしたからおしりふいてあげたよ」
…あまりの自然さに、思わず笑ってしまったという。
たっくんと一緒に過ごした子どもたち。
きっと、大変なこともあっただろう。
けれど、それ以上に「大きな何か」を彼らは受け取ったに違いない。
子どもたちが自然にたっくんに教えたり、
できないことを手伝っていく姿に私は感動した
たっくんの同級生は、今でも連絡をくれるそうだ。
結婚相手を連れてきたり、赤ちゃんを抱かせてくれたり。
分娩室から写真を送ってくれた子もいたという。
「分娩室にいるならじっとしときなさい!」とあきちゃんが言うと、
「おばちゃんの時代とはお産の仕方全然違うんだよ!」と笑って返されたそうだ。
今月、たっくんは2週間ほど入院していたが、無事に退院。
今はあきちゃんが、毎日3食の献立を考えて作っている。
柔らかごはんに柔らかおかず。
野菜や魚を煮たり焼いたり、だしも飽きないように工夫する日々。
「大変ですが、楽しむしかないです!」
「色々考えるのも楽しくなりました」
どんな時も、“今を生きる”たっくんと、“今を楽しむ”あきちゃん。
その姿から、たくさんのことを教わった気がする。
あきちゃんとたっくんの話をオープンチャットでシェアできて、本当に良かった。
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