人生思い通りに行かないとき、

失敗して、落ち込んだ時、

 

「あの時〇〇していたら」

「あの時〇〇しないでいれば」

 

と思ってしまったことは

ないだろうか。

 

 

今日は、美容院で、

久しぶりに小説を読んだ。

 

 

最近ビジネス書ばかり読んでいたので、

展開がどうなるのか気になる本は新鮮だった。

 

 

一年半前までエリート銀行員だった牧村の話なのだが、

不用意な一言で退職することになり、

当座の生活費稼ぎにタクシードライバーを始める。

何をやっても上手く行かず、もし〇〇していたら、

あの時、あの道を進んでいたらと妄想する。

 

あの時別の仕事を選んでいたら。。。

あの時、付き合っていた彼女と結婚していたら。。。

 

牧村の暴走する妄想が笑える。

前半はかなりネガティブだが、

後半明るい兆しが見えてくるので、

読後感は爽やかな気持ちになる。

 

ユーモアもあちこちにある。

 

例えば「ものに名前をつける」

 

妻の律子は、何にでも名前をつける。

出窓に置いたサボテンには、「カルロス」と「ゴンサレス」

ソファにころがっているぬいぐるみは、「ごまふ」

壁にかけたアフリカ土産の仮面は、「ムルアカさん」

食器洗い乾燥機に皿を入れて、出かける前に声をかける。

「じゃあ、ヨネさん、後はお願いね」

家政婦を雇った気分にひたりたいのかもしれない。

 

牧村の円形脱毛に目薬のように垂らす液状タイプの薬には、

「ハゲ止めくん」(笑)

この癖も付き合っていたころは可愛らしく思えていたが、

何年一緒に暮らしていても変わらないのをみると

一種の心の病気でなければいいのだが と思ってしまう。

 

というビフォアフターも面白い。

 

私も食洗機によねさんと声をかけてみようと思う。(*^^*)

字が小さくて、先が知りたくて、飛ばし飛ばし読んだので、

今度はじっくり読み返してみたい。

 

解説の言葉が、私の大好きな言葉で始まっていて驚いた。

 

「暗いと不平を言うより、

進んで明かりをつけましょう」

 

アメリカの教会で聞いた言葉だが、

今でも心に残っている。

 

英語では「ろうそくに火を灯そう」

 

 

It’s better to light a candle than curse the darkness.

 

 

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