皆さまに台風の被害がなかったことをお祈りしています。

 

1996年ハリケーンフランがアメリカに莫大な被害をもたらしたとき、

私は子供2人とノースカロライナ州に住んでいました。

 

アメリカに暮らし始めて3年目、

夫がメキシコに単身赴任して1週間後のことでした。

 

息子2人は、まだ小学生。

 

今までもハリケーンが湾岸地帯に

被害をもたらしたことはありましたが、

内部に上陸することはなかったので、

今回も大丈夫だと軽くみていたのが間違いでした。

 

雨風が徐々に強くなり、

いつもより少し早めに晩御飯を終えて、

片付けをしていたとき、

突然停電になりました。

まだその時は、食べ終わってラッキーなんて軽く思っていました。

 

 

停電は、子どもたちにとっては未知の世界。

懐中電灯で喜んで遊んでいました。

 

ところがいつまでたっても電気はつかない。

外の風のゴォ~と言う音が迫ってきて

子どもたちも不安そう。

 

なんとかしなくちゃ!

目には目を、音には音 

鍋やしゃもじ、お玉を子どもたちに持たせて

子供部屋に向かいました。

 

「ぼーくらはみんな生きている~生きているから歌うんだ!♪」

子どもたちは鍋楽器で参加。

ジャン、カン、カン ♪

 

「むすんで ひらいて 手をうってむすんで」

「咲いた、咲いた、チューリップの花が」

 

知っている童謡を歌いました。

(レバートリーすくな! ^^;)

 

外は真っ暗。

何も見えず、低いうなるような風の音。

 

一番安全なのは、

窓のないウォークインクローゼットだと

誰かが言っていたのを思い出します。

 

いざとなったらすぐ移動できるよう

クローゼットの前に寝袋を敷いて

そこで子どもたちを寝かして

私はひたすら歌い続けました。

風の音はどんどん大きくなってきます。

「死ぬかもしれない~」

そう思ったとき、ある曲が口から出てきました。

 

おらは死んじまっただ~ 
おらは死んじまっただ~

おらは死んじまっただ~
天国いっただ~

 

もちろん子どもたちは聞いたことがない曲です。

でもそのメロディーが気に入ったのか

一緒に笑いながら、鍋を叩き始めました。

天国良いとこ、一度はおいで、
酒はうまいし、
ねえちゃんはきれいだ 
ワーワー ワッワー
(ここで子どもたちが鍋を叩く)

この歌のおかげでだんだん盛り上がってきました。

室内キャンプファイヤーです。

 

しばらく歌い続けているうち、疲れたのか

子どもたちは眠ってしまいました。

 

私はその後も眠れませんでしたが、

しばらくすると外も静かになり、

ようやく安心して休むことができました。

次の日外へ出てみると

大きな木が何本も根こそぎ倒れていました。

 

 

「帰ってきた酔っぱらい」という題名だとずっと後で知りました。

「帰ってきた酔っぱらい」はこちら

 

歌詞も全部覚えていない歌でしたが、

あまりの恐怖に「死」を笑い飛ばしたいという力が働いたのではないかと思います。

 

でもおかげで、子どもたちは楽しんでくれたし、

私も気持ちが強く持てたのだと思います。

 

昨日ユーモアクラス初参加のNさんが、

「仕事が大変なとき、上手く行かないときは、

冗談なんて言っている余裕がない。

苦しい人生だった。

 

でも少し余裕がでてくると

もともと好きなダジャレとか笑いとかが出てきた。

今でも仕事は忙しいけれど、

忙しくても笑いながらやると体にとってもいい」

 

と話してくれました。

 

苦しいときこそ、笑うこと大事ですね。