金城大学学長で日本でホスピスケアを始められた 柏木哲夫氏は大の川柳好き。

著書の「癒しのユーモア」で、ユーモアの効用を4つ挙げているのですが すべてに川柳が出てきます。

癒しのユーモア

1.緊張緩和 
2.流れを変える
3.コミュニケーションを助ける 
4.人と人を繋ぐ

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1.緊張緩和

大学院で胎教を研究したいという受験生がコチコチに緊張しているのを見て、

クラシック 嫌いな胎児 きっといる 

という句があるのですが どう思いますか?と尋ねたそうです。そこで試験管も彼女も一斉に笑い、緊張がほぐれ、彼女は無事合格。

 

2.  流れを変える 
    
いい話し合いが続いているとき 一人の先生が遅れてやってきました。過激な発言をして 議論になりその先生が出て行ってしまったあと。 嫌な雰囲気を変えたくて紹介した川柳

いい人だ だが悪いとき現れる

これで場が和んで、会議は続けられたそうです。

 

3.コミュニケーションを助ける

講演では講師も聴衆も緊張している。そこで講演の出だしで笑ってもらうことが両者に大きなプラスをもたらす。

「今日は患者さんが持つ不安についてお話しします。先日新聞の川柳欄を見ていますとこんな句が載っていました。

  お守りを医者にもつけたい手術前    

患者の不安を見事に表現していますね。」

 

4.人と人を結ぶ 

初対面の人とうまくコミュニケーションをとるのにユーモアのセンスはかなり役に立つ。

相手がかなり緊張しているとき 話がリストラのことになり また川柳を持ち出した。

 窓際もせめて行きたい南側
 
やや寂しいですが 会社を辞めるともっと寂しくなるらしい

 窓際の頃が懐かし 窓の外  

二人で笑って緊張が取れたそうです。

 

ユーモアセンスは 自然に身に着くところと それなりに努力しなければならないところがある。 私はできるだけ多くの川柳を記憶し 適当な場所でタイミングよく出す努力をしている。  

(癒しのユーモア  柏木哲夫著 より)

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これを読んで気が付くのは、柏木氏は、いつも相手の緊張をほぐそう 場の雰囲気を良くしようという気持から ユーモアが出ているということです。 そしていつでも出せるように川柳を用意しているのですね。

 

上智大学のアルフォンス デーケン氏の言葉に共感しました。

「ジョークは、言葉の上手な使い方やタイミングの良さなどですが、ユーモアは心と心のふれあいから生まれます。
相手に対する思いやりが原点です。」

ユーモアとは愛と思いやりの現実的表現   

 素敵な言葉ですね。

 

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