ユーモアセンスには、つらい状況を乗り越えさせてくれる力があります。
柏木哲夫氏のCD「ユーモアの力」の 続きです。(いのちの言葉 ホスピスケアの現場から より)
「壁を取り崩すユーモア」は、こちら
【不安を吹き飛ばすユーモア】
柏木先生は川柳が趣味で、その影響で、川柳を始める患者さんもいるそうです。
一人の患者さんが 手術前にこんな川柳を作りました。
「お守りを 医者にもつけたい手術前」
不安だったのでしょうね。
これを聞いた医師もユーモアセンスがあり、患者さんのベッドサイドに行って、
「心配しなくてもいいですよ。私は、近畿で一番腕のいい医者ですからね」(笑)と言ったとか。
自分の状況を歌にすると、客観視できるので、少し気持ちが楽になるのですね。
そしてユーモアをわかってくれるお医者さんとの会話で、きっと安心して手術を受けることができたと思います。
【末期がんの患者の妻が書いた川柳】
年末に体調を崩した夫が 最後のお正月を家で過ごして 病院に戻ったときのことです。
「私も川柳作ったんですよ」と言って、妻が読んだ初めての歌は、
「がん細胞 正月くらいは寝てくらせ」
柏木先生はぷっと一瞬笑った後、悲しみが湧いてきたそうです。
「私の大事な夫をこんなに弱らせて。がん細胞よ、せめて正月くらいは、悪さをしないで寝てなさいよ。」というやるせない気持ちがわかったからです。
ユーモアは痛みをやわらげ、苦しみを乗り越える手助けをしてくれます。
でも突然不幸に襲われたらユーモアなんて考えられないですよね。
だからこそ、普通の生活を送っているときに ユーモアセンスを磨くことが大切なんです。
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