私はいい人、優しい人だと思われている。

しかし一つ弱点がある。

 

(本当はもっとあるが)

 

 

それは、お腹がすくと機嫌が悪くなるということだ。 

 

若い頃、あからさまに不機嫌が顔に出るので、

大学の友人たちにも知れわたってしまった。

 

4,5人で、授業の帰り歩いていたある日

 

私が、

「あ~お腹がすいた~」と言った途端、

全員が飛んで私から離れた。

 

別に暴れるわけではない。

 

 

そんな私なので、

レストランで待たされるのは、

今でも嫌だ。

 

昨日は仕事帰り、夫と駅チカのお寿司屋さんで

晩ごはんを食べた。

 

 

いつもは、10分ほど待てばくる

お寿司が来ない。

 

私たちより先に食事をしていた

3人家族もまだ待っている。

 

「遅いわねぇ~」

不機嫌そうな母親の声が聞こえた。

 

持ち帰りを注文した客も一人来た。

 

 

20分ほど経って、

ようやく中学生くらいの娘さんのお寿司が運ばれた。

 

「お待たせして申し訳ありません」の言葉に家族はみな無言。

みんな待ちすぎて不機嫌なのだ。

嫌な空気が漂った。

 

それにしても遅い。

今まで何度も食べているのに

こんなに待ったことはない。

 

 

「後どのくらいかかりますか?」

と言いたくなる気持ちをすぐ消した。

 

言ったところで、早く来るわけじゃない。

 

きっと何かあるのだ。 遅くなる理由が。

 

板前さんが、少ないのかもしれないと

調理場の方を見ると

若い板前さんが一人、

一生懸命手を動かしている。

 

きっともう一人の板前さんが、

来られなくなって

一人でやっているのかもしれない。

 

そう考えたら、急に気の毒に思えてきた。

中学生のお寿司が来てから5分ほど経ち、

ようやく私たちのお寿司がやってきた。

 

硬い表情で、

「お待たせして申し訳ありません」と言われたとき、

優しい笑顔で訊いてみた。

 

「今日は一人なんですね」

すると

「え~まぁ、1.5人というかんじですかね」

という。

 

1.5人という言い方が可笑しかった。

やはりベテランの板前さんが休みなのだ。

 

それなら注文したときに、

一言、「今日は一人休みでお時間がかかりますが、よろしいでしょうか」

と言ってくれたらいいと思うのだが、

お客さんが減ってしまうから言わなかったのだろうか。

 

 

 

お寿司は今までにないくらい美味しかった。

 

待ったからだろうか。

若い板前さんが、一生懸命作っているのを見たからだろうか。

 

食事が終わって立ち上がると、

食事を運んでくれた女性に、

「お待たせして大変申し訳ありませんでした」

とまた言われた。

 

先程の3人家族のときは言っていなかった。

 

夫が会計をしているとき、調理場の方をみたら、

お寿司を握っている板前さんの横に

アシスタントのような若い女性がいた。

あ~見習いなんだ。

だから1.5人なんだと納得した。

 

「すっごく美味しかったです!」

「ごちそうさまでした!」

と大きな声で笑顔で言うと、

板前さんと見習いさんが、頭を下げてくれた。

 

私も気持ちがよくなった。

 

期待通りに物事が進まないときほど、

気持ちを軽くして、優しい気持ちでいることが

大事なのだ。

 

 

よかった。最初に天ぷら頼んでおいて~

それほどお腹ペコペコじゃなくて~

はらぺこマーサがプンプンマーサにならなくて~(笑)

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