母が60代の頃は、実家に行くたびに
父や叔母の悪口や愚痴を聞かされるので、
実家に行くのが嫌でした。
それで、ただ行くのではなく、
何か一緒にするのはどうだろうと
考えて、料理を教えてもらうことにしました。
母は料理が好きで、
長年、料理教室に通っていたからです。
私はアメリカンのシンプルクッキングが好きで、
手の込んだ料理は作ることはないのですが、
愚痴を聞かされるよりいいに違いない。
母は大喜び。
レシピをコピーして
毎回3品くらい教えてくれました。
いい時間をもちたいと思ったら、
相手に先生になってもらう。
年上の方はたいてい喜んで教えてくれます。
寝たきりになった母と一緒にできることは何かと
考え、謡を一緒にやることを思いつきました。
ユーチューブで「謡 簡単」で調べてみると
大きな声の動画がアップされているではないですか!
動画はこちら。
「これは、まことに、よろこばしきこと~」(笑)
字幕も出るし、長さも短くてちょうどいい。
母も一生懸命見ています。
先生の声が大きく、
先生の後に繰り返して歌えるので、
動画を見ながら、一緒に練習しました。
「たかさごや~ このうらぶねに~
ほをあげて~」
その後、母のお気に入りの羽衣を
歌ってもらい、私が後を追う。
(母を先生として繰り返す)というのを
やったら、1ページ半読んでくれました。
その後 謡を始めたきっかけや、
小学校のとき仲が良かった田中まちこさん
(しっかり覚えていることにびっくり)
の話などもしてくれて
昔の話はよく覚えていることを再確認しました。
ただ、最後に
「今日はいっぱい声を出したねぇ」
というと
「そうかねぇ」ですって。
(ズッコケる私)
この日は介護師さんも来て、
たくさん話しかけてくれていたとか。
弟によると、とても元気のいい、優しい看護師さんだったそうです。
「頭しっかりしていますね~」と褒められたみたいで、
母も嬉しそうでした。
本当にありがたいことです。
母の部屋には、カメラが設置されて、声を出したら、
弟にすぐ連絡が行くようになっています。
日曜日は、アレクサと言えた母ですが、
次の日は「アレックス、アレックス」と呼んでいたそうです。(笑)
好きな俳優さんの名前で呼べればいいですよねぇ。
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