昨日、フランス大使館の前の道を歩いて

広尾駅に向かっていたときのことです。

 

緩やかな傾斜の細い道で、

車もそんなに通らず、

少し高くなっている歩道を

気持ちよく歩いていました。

 

すると後ろから元気な男の子の声が聞こえて、

男の子をのせた若いパパさんが2人

自転車で抜かして行きました。

 

一人は日本人、もうひとりは外国人のようでした。

 

私の時代はママチャリで、子供を乗せる親は母親だけでしたが、

今はパパチャリの時代なのですね。

 

「〇〇だよ~」大きな声で男の子がパパに話しかけているのが、

まだ聞こえます。

ほのぼのとした気持ちになったその時です。

 

反対側から、おばあさんが、

キルティングのようなもので包んだ荷物を抱えて

よろよろとやって来たのです。

おばさんから来ると下り坂になるので、

つんのめってきています。

ちょうどマラソン選手が

ゴールを過ぎたあたりで、

ふらふらと倒れそうになる感じ。

 

マラソン選手には受けとめてくれるチームメートが

いますが、おばあさんにはいません。

 

「あ~、そのまま行くと転ぶ~」

そう思った瞬間、

「ドスン」と音がして

振り返ると

おばあさんがうつ伏せに倒れていました。

 

「おばあさん、大丈夫ですか~?」

思わず駆け寄りました。

私より3歩ほど後ろを歩いていた20代くらいの女性も

どうしていいかわからないで立ちすくんでいます。

 

起き上がるのを手伝ってとりあえず車道に座ってもらいました。

顔にはすでに擦りむいて赤くなっている傷をカバーしていた

ガーゼが取れて頬にぶら下がっています。

(前にも転んでいたんだ)

花柄のキルティングの中には

何か本のような四角いものが

入っていたようです。

「どうしよう~」

これからすべき行動を即座に考えなくちゃと

思った矢先

自転車の音がしました。

さっき通り過ぎたパパさん2人が戻ってきてくれたのです。

「おばあさん、大丈夫ですか? 

今救急車呼びますから、歩道に行きましょう。」

 

日本人の男性がすぐに電話してくれました。

 

救急車にはなかなかつながりません。

しばらく待って

ようやく、つながった途端、

ちょうど前の建物から男性が出てきました。

 

「すみません、ここの住所なんですか?」

住所を伝えたので大丈夫。

グッドタイミング!

 

それにしてもなんて頼もしいのでしょう!

 

 

私一人だったら、

今コロナ患者でさえ、病院でみてもらえないのに、

救急車を呼ぶことさえ、

ためらってしまっていたかもしれません。

 

男性2人は車道で

私達女性2人はおばあさんの横で救急車を待ちます。

 

「おばあさんは、どこに行ってたんですか?病院?」

私が話しかけると

 

「病院じゃない、そこ曲がったとこの〇〇」

と答えてくれたのですが、最後のほうがわかりません。

 

どこに住んでいるのか、

何をしていたのかはわかりませんでした。

少し認知症のようでした。

若い女性にも話しかけてましたが、

彼女も何を言っているのかわからなかったようです。

 

後ろに乗っていた元気な男の子たちも

自転車から降ろされて

おとなしくしていました。

10分後くらいに救急車到着。

ストレッチャーに乗るとき

おばあさんが、慌ててそのキルティングをつかもうとするので、

救急隊員の人が

「大丈夫 取らないから。大事なものだから

ここに置いて持っていこうね」

と優しく言っていました。

 

救急車を見送って

若い男性たちは、

「お疲れ様でした~!」

と言って去って行きました。

 

なんて爽やかな人たちなんだろう!

 

自転車で通り過ぎてしまっているのだから、

見て見ぬしてそのまま行くことだってできたと思います。

子供ものせているし、

私が母親だったら、

振り返って何人か近くに人がいたら、

 

あの人達がなんとかしてくれるだろうと

そのまま行ってしまったかもしれません。

(特に子育て中は余裕がない)

それなのに、戻ってきてテキパキとやるべきことをやる。

一瞬で場の雰囲気を変えた 出来事でした。

 

昨日は、夜ズームの会があり、

仕事もフルでくたくたで、

早く帰って休みたい気分でしたが、

爽やかメン(なんだか うどんみたい)のおかげで

温かい気持ちになりました。

 

サンキュー 爽やかメン!!!