「いやだ! 絶対言いたくない!」

今から約10年前 元お笑い芸人の塾でのことです。

 

第一回目のクラス。テーマは自己紹介。

 自分と同い年の有名人を調べ

「〇〇と同い年の山田です!」と紹介するというもの。

 

ゴルゴ15と同い年のスズキです。とか漫画のキャラクターでもいいのです。

ユーモアを伝える方法を探していた私は、

この塾を見つけると即12回コースに申し込みました。

実際に参加してみるとメンバーは、

20代、30代の男性がほとんど。

若い女の子も数名いました。

50代の人はいそうもありません。

私が最年長なのは明らかです。

 

 

こんな若い人たちの中で自分の年を公表するなんて~

 

「いやだ! 絶対言いたくない!」 

 

冒頭の言葉です。

お笑いの塾ってどんなことをするんだろうと、

ワクワクしていた気持ちはどこかに吹っ飛んでしまいました。

有名人の名前を言ったら年齢がバレちゃうじゃない。

 

「え~、そんなおばさんのくせに、笑いを学びに来てるんですか~?」

(きっと馬鹿にされる~)

 

若い人に混じって学ぼうとしていた私ですが、

年齢を初対面の人に、

それも私よりずっと若い人たちに公表するのは抵抗がありました。

 

50歳前半って微妙な年齢なんです。

 

「いやだ! 絶対言いたくない!」

 

悲痛な顔で塾長に訊いてみました。

「どうしても自分の年を言わなくちゃいけないですか?」

 

塾長は、何が問題なんだという顔で

「そういうワークだからねぇ」と答えました。

 

その塾の受講代は、当時の私にとって安いものではありませんでした。

 

ユーモアクラスの基礎を作るためには、

何か元になるものが必要だと思って飛び込んだお笑い塾でしたが、

最初のクラスからこんな目に合うとは。。。

汗が出てきました。^^;

「えぇい! もうどうなってもいい!」

 

そう思って私は携帯で自分と同い年の有名人を調べました。

「お~!」

意外な人が同い年です。

 

誕生日が一日違いの有名人もいます。

6人グループで話し合うとき、私は思い切って言ってみました。

「私オバマ大統領と誕生日一日違いなんですよ。」

(当時現職の大統領でした)

オバマ大統領が8月4日 私は8月5日なので、一日だけお兄さんです。♥

 

「え~そうなんですかー! すごいじゃないですか~!」

 

若い女の子が大げさに驚いてくれました。

他の男子たちも感動した様子。

「マーサさんのテッパンネタですね~!」

「テッパン」の意味がわかりませんでしたが、

なんとなく、いいことを言っているのだと感じました。(笑)

私はみんなの反応に嬉しくなり、

先程見つけた別の2人のことも言いました。

「カール・ルイスとベン・ジョンソンも同い年なんですよ~」

「うぁ~!いいなぁ、マーサさん、ラッキーですね!」

みんなから羨望の眼差し。(笑)

すると塾長までやってきて、

「草刈さんが、両手振って 『ベン・ジョンソンと同い年です!』

って自己紹介したら受けるねぇ~」

と走っている振りを見せてくれました。

みんなで爆笑。

他の人も有名人を使って自己紹介しましたが、

私のようにインパクトのある有名人はいませんでした。

「えっへん!」(笑)

 

あんなに年齢を言うのが嫌だったのに、

誰も気にしてなかった。

その上こんなに楽しい雰囲気になった。

 

これは衝撃の出来事でした。

 

私達は人からの評価を常に意識しています。

でも人はそんなに他の人を気にしちゃいないのです。

ようするに

 

自意識過剰 だったということ。

 

ちょっと恥ずかしいと思っても実際に言ってみたら

こんなに楽しい雰囲気になるのだと言うことを私は学びました。

 

ユーモアとは他の人のために馬鹿になる勇気をもつこと。

Humor is willingness to take a risk of being silly for the sake of someone else. 

還暦になったので、もっと勇気を持って馬鹿になろうと思います。(笑)