今日のサワコの朝はとてもいい話でした。

ゲストは7本指のピアニスト 西川悟平さん。

 

15歳からピアノを初め、24歳のときに世界的に有名なピアニスト ディヴィッド・ブラッドショーに才能を見いだされ

ニューヨークに留学。その後華々しくデビューしたものの、2年後に脳の病気 ジストニアになってしまう。

一時は鬱になった吉川さんでしたが、子どもたちのおかげで、

5本しか使えない という考えが 5本も使える。に変わり、

上手く弾くことではなく、どうしたら相手の心に響くかを考えるようになったそうです。

 

どの話も面白かったのですが、泥棒の話は心が温かくなりました。

 

【事件も笑える話に】

2016年NYマンハッタンに住んでいた時の話。

平和ボケして部屋の鍵をかけるのを忘れていた、西川悟平さんは、

強盗2人組に入られる。

黒人のガッチリした男とラテン系の若い男。

最初は怖かったけれど、好奇心が出てきた西川さん。

(どういう幼少期を過ごしたら、こういう人の物を平気で取れるような人格形成になるのだろう?)

そう思った西川さんは、泥棒に声をかけた。

 

”Excuse me, Can I speak?” 

「うるせー、黙れ!」と汚い言葉が返ってきた。

「ごめんなさい。でもどんな幼少期を過ごしたのが気になっただけです」

と吉川さんが言うと 盗んでいた手がピタッと止まって

「お前にあの痛みがわかるか?」と泥棒が言った。

 

「俺の親父は、俺が物心ついたときから虐待した。

母親はアル中で、相手にもしてくれなかった。

子供の時に親は出て行ったから自分はホームレスになった。

お前にあの痛みがわかるか?」

それを聞いた吉川さんは、想像しただけで涙が出てきて、

 

「大変だったんだね。そんな大変な思いをしてきたんだ。

うち、大したものないけど、みんな持って行っていいから」

Take anything you want! 

と言った。

 

泥棒 「お前 日本人か?」

吉川さん「はい、日本人です」

泥棒 「おまえら日本人は他人に対して優しい文化だから好きだ」

吉川さん 手をあげたまま”Thank you , Thank you”

 

 

 

そんなふうに言われたら日本のおもてなしの心で迎えなくちゃと思った吉川さん。

「日本から持ってきた美味しいお茶があるけど飲んでみる?」(← これはすごい)

と訊くと 飲むという。

そして8時間一緒に過ごした。

その日はたまたまラテン系の泥棒が誕生日だというので、(朝の4時ごろ)

ハッピーバースデーを弾いたら

泥棒は涙を流して喜んだ。

「人生で初めて誰かが俺のためにピアノを弾いて祝ってくれた」と。

その後も「もっと弾いてくれ」と言われ1時間ほど弾いた。

泥棒たちは取ったものすべて置いて帰っていった。

 

そして部屋を出るときに吉川さんに言った。

 

 

Lock the door!

 

鍵閉めとけよ!(笑)

 

入った泥棒に鍵かけておけ! って

 

すごく可笑しい話だけれど、心が温かくなる話でした。

 

 

 

 

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