「英会話ができるようになるためには、
英語力よりもまずは会話力ではないか」
英会話のレッスン中、生徒さんと話していてこの思いが強くなった。
フリートークで、最近アルバイトを始めたという女性に
“What do you do?”と訊くと
“ Not important job”という答えが返ってきた。
それでも何か言うことがあるだろうと質問を続けると
口ごもり、あまり話したがらない。
似たような経験が数回あり私は気付いた。
日本語と英語ではコミュニケーションスタイルが違う。
アメリカではピンポンやテニスのようにボールが行ったり来たりする。
相手の話に興味があるから質問が出る。
でも正確な答えがほしくて訊くと言うよりは、
聴いていますよと相手に知らせるサインだったりもする。
それに対して日本語ではあまり質問はしない。
特に話し手が自分より年上だったり、
上司だったりするとなおさらだ。
逆に質問されてもあいまいな答えでお茶を濁してしまう人が多い。
「退職後いかがですか」
「ま、ぼちぼちですね。」 し~ん。
「何か習い事でもされているのですか」
「まぁ、いろいろやってます。」し~ん。
ボールがネットを超えてこない。
これを英語でやるとそっけない感じがして、
この人は自分と話したくないのだという印象を受ける。
これは英語力の問題ではなく会話力だと思う。
齋藤孝さんの著書『雑談力が上がる話し方―30秒でうちとける会話のルール』で
「日本人が英会話を苦手としているのは雑談力がないからだ」と言っている。
私も同感である。
英語の専門家になるのでなければ、
そんな難しい話をすることはない。
何気ないやり取りで相手との距離が縮まったり、
場が和んだりする。
そのためには発音、単語、文法なんかを気にするより自分をさらけ出し、
相手に質問することの方が大切だと思う。
会話を楽しむことが、会話力をつける第一歩ではないだろうか。
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