【ハッピーラッキーミーのスピーチ】

2013年の秋 松原さんが亡くなりました。

松原さんは、私が自宅で英会話を教え始めた最初の生徒さんでした。

とても明るい50代の主婦。昔うぐいす嬢もやっていたそうです。

”Good morning, Martha!”

彼女の声が聞こえると部屋がぱあっと明るくなりました。

時々海外旅行に行くので少し話せるようになりたいというのが英会話を習う理由でした。

たぶん6年目くらいだったかもしれません。

癌の治療に専念するためしばらくレッスンを休むと連絡がありました。

戻ってきたのは1年後。

帽子をかぶっていましたが、それ以外は今までと変わらない明るい松原さんでした。

好きなゴルフも再開し、海外旅行、国内旅行、花火見学。

治療もいいと言われることはすべて試していたようです。

定期的に三春の癌に効くという温泉にも行き、

そこで出会う年配の患者さんがいかに明るく元気だったか話してくれました。

見つかったときはかなり進行していたようですが、笑って楽しいことをしていたおかげで

病気も進行せず、医師や看護士が驚いていたと嬉しそうに話してくれました。

 

「毎日鏡に向かって笑顔を作っているんです!」

「元気の出る言葉を冷蔵庫に貼って毎日声に出して言うんですよ」

「自分がワクワクすることをするのが一番体にいいんですって!」

「スケッチブックに癌を怪獣にして描いて それをやっつけるんです!」

 

彼女が亡くなったと聞いたとき、彼女が生きていた証を残したいという思いが沸き起こりました。

そして「楽しいから笑うのではない。笑うから楽しくなる」というメッセージも入れたい。

それが2014年に作った英語スピーチ Happy Lucky Me でした。

次の年日本語に書き直して全国大会まで行けるとなったとき、

コンテストに勝つためには、不幸な人や亡くなった人の話があった方がいいと言われたことがありました。

「あなたのスピーチにはインパクトがない」と。

でもスピーチの中で彼女が亡くなったことを言うつもりはありませんでした。

聞いてくれた人が少しでも元気になるようなスピーチにしたかったからです。

それにもしかしたら癌と闘っている人が聞いているかもしれません。

全国大会のスピーチはこちら

病院で余命わずかと言われても彼女のように何年も生きた人もいるし、

膠原病で治る見込みがないと医師に言われても、笑いの治癒力で元気になったノーマンカズンズもいます。

でもとても7分では説明できません。

 

最初は松原さんのことを言いたくて作ったスピーチだったのですが、

クラブメンバーのアドバイスで

親子関係をメインに持ってくることにしました。 

その方がユーモアも入りやすい。

 

一人でも多くの人が笑顔になりますように。

人生は短い。まだ歯がある間に笑おう! (笑)